精神科ナースの本気メモ

読むだけでスキルアップできるステキなメモ帳

辛い夜勤のダメージを最小にするためのテクニック

 

 人間は本来、日中に活動し夜に休息をとる生き物です。

 その自然の摂理に反する夜勤は、看護師にとっても、身体へ重い負担をかける仕事です。

 

 そのため、夜勤に入る時は出来るかぎり身体への負担を軽減し、効率的に仕事をする必要があります。

 

しかし、看護師であっても正しい夜勤の身体ケア方法を知らないものです。 

今回は、夜勤入り、仮眠時間、夜勤明けに出来る、ケアの方法について紹介したいと思います。

 

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この記事の内容

 

 

 

夜勤中に出来る身体ケア

 

仮眠が取れるタイムスケジュールにする

 ・配薬、検温、記録の時間を調整

 仮眠時間を出来る限り多く確保することが、健康被害を抑える為に最も効果的な方法です。逆に言うと、仮眠時間を確実にとることが出来れば、健康的に夜勤が出来るという事になります。

 無駄に仕事量を増やさないために、最も効果的な方法が自分の看護業務のパフォーマンスを最大化することです。自分の仕事を毎日振り返り、時短できるところを探し続けましょう。ほんの僅かな工夫でも、積み上げていけば、かなり仕事量を軽減することが出来ます。自分の普段のルーティンの中に省ける業務がないか?もっと効率的に仕事をする方法がないかを常に意識するようにしましょう。

 無駄な仕事を省き、仕事の密度を上げることが、確実に仮眠時間を確保する為の最短ルートです。

 

 

・ナースステーションの照明を落とす

 可能であれば、ナースステーションの照明を暗くしましょう。それだけでも、メラトニンの分泌量が増え、仮眠時間に睡眠がとれる確率が上がります。仮眠時間に睡眠出来れば、メラトニンや成長ホルモンの分泌量が増え、夜勤によるダメージを最小に出来ます。

 私はナースステーションの照明を最小にしています。ただし、患者さんからナースの存在がしっかり確認出来るように、ナースステーションにいる時は、自前のランタンを常に近くに置いています。

 患者さんからは、『夜中にトイレに行くときに、ナースステーションが眩しくなくて助かる。』という感想も頂いています。

 

 

 

仮眠中に出来る工夫

スマホはみない

 夜勤の仮眠時間は非常に貴重です。

 夜勤中、公式に睡眠が照れる時間は仮眠時間だけなので、仮眠時間は必ず睡眠をとりましょう。ましてや、スマホを眺めている時間は勿体なさすぎです。

 また、『 睡眠時間の前に10分だけSNSをチェックしよう 』とスマホをに触れる人もいると思いますが、仮眠時間にスマホは厳禁です。

 

 スマホの画面からはブルーライトという光が照射されています。このブルーライトは、脳内のメラトニンの分泌量を激減させ、覚醒状態にする作用が強いのです。つまり、仮眠の前にスマホを使うことによって、眠りにくい状態にしてしまうのです。

 仮眠時間に眠ることによって、成長ホルモンやメラトニンを分泌し、少しでも自分のケアをしてあげることが、自分の体を守る第一歩です。

 

 

仮眠室は真っ暗にする

 『 仮眠の時、仮眠室は真っ暗にしていますか? 』

 私の体感だと、仮眠時間に仮眠室を真っ暗にする看護師は三人に一人程度の割合です。

 先述の通り、人間は目から光を感じると、眠りが浅くなってしまいます。出来る限る深い、良質な睡眠をとることで、老化の予防や生活習慣病の予防が出来ます。

 ぜひ、これから仮眠をとる時は仮眠室を真っ暗にして仮眠を取ってみて下さい。

 

 

眠れなくても目を閉じて安静

  『 10分程度ゴロゴロしてみて眠れなかった時、スマホをいじっていませんか? 』

 視覚情報は、脳に大きな負担をかけています。つまり、眼を閉じて視覚情報を遮断するだけで、脳は休んでいる状態になります。

 実際に、目を閉じて横になっているだけで、脳波にはθ波が出現しています。このθ波は、脳が睡眠状態や瞑想状態に出現する脳波であり、脳が休息状態になっています。

 実際に私も余程のことが無い限り、仮眠時間内は一回も目を開けないようにしています。

 

 

 

帰宅後に出来るケア

買い食いはガマン

 夜勤をすれば、多かれ少なかれ睡眠不足の状態になっています。睡眠不足は、ホルモンの影響から食欲が増し、満腹を感じにくい状態になっています。

 さらに、判断力も低下しているため、ドカ食いをしやすい状態になっています。この時に、脂質や糖質の多い食品をドカ食いすると、生活習慣病まっしぐらです。

 

 

夜勤後のドカ食いに関する詳しい記事はコチラ!

www.komattahito.com

 

どうしてもお腹が空いたときは?

『 どうしても空腹に耐えられない。』そんな時にオススメな食品は『 くるみ 』です。

 くるみには、睡眠に導入するホルモンメラトニンの材料になるトリプトファンが多量に含まれています。トリプトファンからメラトニンを合成するには時間がかかるため、夜勤明けの間食にぴったりなのです。

 くるみには、脂肪が多く含まれているため、20g程度にとどめておきましょう!

 

 

 

 寝室は暗くする

 夜勤から帰宅したら過ぎにカーテンを閉め、室内を出来る限り真っ暗にしましょう。出来れば帰宅後すぐ、シャワーに入る前にカーテンを閉めて暗くしておくと、さらに入眠できる確率が上り、睡眠の質も向上します。

 夜勤後、遊びに行くなんてもってのほかです。夜勤後は、戦略的に眠るようにしましょう。

 また、帰宅中にサングラスを着用することで、帰宅時間に光を感じる量を減らすことが出来るため、帰宅後に入眠しやすくなると言われています。

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温度湿度の調整

 寝る時に部屋が寒すぎたり、湿度が低すぎる環境で眠ると、睡眠の質が下がってしまいます。

 自分が最も良く眠れる温度と湿度に調整し、眠るようにしましょう。家に加湿器が無い人は自分への投資だと思って購入することをオススメします。

 

 

夜勤明けは3時間程度の睡眠がベスト

 夜勤明けは疲労もピークに達し、一時でも早く寝たい気持ちになります。それは、人体が睡眠不足を実感し、休息を強く欲しているサインです。

 体の欲求には素直に従って、早めの帰宅、早めの睡眠を心がけましょう。帰宅後、映画やテレビを観たりゆっくりしてから睡眠をとる人も少なくないのですが、体の事を考えると、早めに寝てしまうのがベストです。

 また、睡眠時間は2~3時間程度がベストです。ここで夜までぐっすり寝てしまうと、昼夜が逆転し、夜にぐっすり眠ることが出来なくなってしまいます。