看護師の経験年数が10年を超えたあたりから、看護管理を視野に入れたトレーニングが始まります。看護管理は、今まで勉強してきた内容と全く別物の知識を習得していく必要があります。そこで今回は、これから看護師長や主任になるナース向けに、リーダーシップをとる為に必要な知識をまとめました。
この記事の内容
リーダーシップをとるとは
自らの組織の使命、理念、目的、目標の実現のために自分なりの意見を持って行動し、相手に影響を与え、相手を動かすことをリーダーシップをとるという。
リーダーのタイプ6種
リーダー像は決して一つではく、大きく分けて6つのタイプに分類することが出来ます。自分が現在どのタイプのリーダーであるかを把握し、今後どのようなリーダー像を目指すかを整理することによって、効率的にリーダーとしてのスキルを習得することが出来ます。組織の習熟度に応じたリーダーシップを摂る必要もあります。
また、自分とは別のタイプのリーダーシップのとり方を知ること出来れば、より幅広いリーダーシップを発揮することが出来るかもしれません。
メンバーが未熟な時期に有効なタイプ
・牽引型
『 メンバーの先頭を走る 』ことで、影響力を与えるリーダー。
組織の進む方向や進む手順を迷うことなく先頭で示し続け、メンバーはその背中に憧れ、尊敬しながらついていくようなリーダーシップ。学校の、学級委員長や生徒会長のようなヒエラルキー型のリーダー。
・緻密型
的確な指示を出すなど、論理性、説得性でメンバーを導くタイプのリーダー。
仕事の意義や目的、各個人の明確な役割を規定しており、それに基づいて指示を出す。合理的な根拠に基づいて、明確な指示を出す。論理性と合理性の高さから、メンバーは安心感がある。標準的な作業手順のルールを整備することも得意なタイプ。
このタイプのリーダー
・マーガレット・サッチャー
メンバーが成熟している時に有効なタイプ
・ビジョン型
会社、組織が目指す目標(ビジョン)を示し、進むべき方向性を明確にして、メンバーを導いていく最も前向きなリーダーシップ。
リーダーがこのタイプの時、目標達成の方法や手順はメンバーに任される。その為、メンバーの自立心の向上や帰属意識が高まる。
このタイプのリーダー
・スティーブジョブズ(元Apple CEO)
・ 小泉 純一郎元首相
・織田信長
・奉仕(サーバント)型
メンバーの意欲、環境を整える奉仕性、尽くす力で仕事の能率を上げるリーダー。
ポジティブな言葉や、ねぎらいの頃言葉等の心配りでメンバーのやる気を高め、人間味が溢れて、気軽に気軽に接することが出来る気さくさがあります。
また、メンバーからの提案を積極的に受け入れ、自分もチームの一員として、メンバーを対等に扱います。
コーチングでメンバー、後輩の成長えを支援する。
このタイプのリーダー
・マザーテレサ
・上杉鷹山
・ボス型
リーダーがチームで成果を上げることにフォーカスしているのに対し、ボス型は自身が成果を上げることに対してフォーカスするリーダー。
権限に頼り、『自分が最も正しい。』という理念があります。このタイプのリーダーは部下の意見は求めておらず、一方的な指示で作業を与えるます。このとき、相手の願望や欲求に配慮はしません。そのため、部下とは敵対しがちで、敵対した部下を排除する傾向があります。
・ファシリテーター型
『 facilitate:~を促進する 』という意味から、ファシリテーター型とは、中立の立場からメンバーの意見や情報を引き出し、メンバーが主体性を持って、行動することに努めるリーダーシップ。
メンバーの議論を上手に噛み合わせ、問題解決に向かわせることが出来る。最も現代に求められているリーダータイプです。
リーダーとしての必須スキル
リーダーとして、求められるスキルは大きく分類して、以下の3つのスキルがあります。
それぞれの基本的なスキルとコツを習得しましょう。
リーダーとしての3つの重要なスキル
①安定力
②判断力・思考力
③指導力
~安定力~
リーダーとしての安定力は職場の環境を左右します。そのため、リーダーとしての安定力を向上させるためのスキルが必要になります。
リーダーは、自身の心理面での浮き沈みの表面化を抑制する必要があります。自身の感情をコントロールし、常に前向きな姿勢で業務に臨めるというスキルが安定力です。
~判断力・思考力~
判断力とは、検討の観点を複数見つけ情報収集し、どこを重視すべきか自らの考えを定める能力。リーダーは、最終的に覚悟をもって決断する必要があります。
思考力とは、最小限の資源で最大限の効果を効果的かつ効率的に行う能力。
~指導力~
個人の好き嫌いによって、指導頻度や内容を変えることなく公平に成長支援をすることが求められていいます。指導力を磨くためのポイントを見ていきましょう。
ほめ言葉が人を動かす
褒める事の基本は、具体的に何に対して褒めているのか、ほめるタイミングはタイムリーに、たとえ、期待通りの結果がでなかったとしても、報告したという行動(そこに至るまでのプロセス)を評価し、ほめましょう。
叱ることと怒ることを混同しない
叱ることべき内容を把握・判断しする。タイミングも慎重に決める。
自分の考えや気持ちでフォローする。
叱る、指導するということが相手のためであるという姿勢を明確にし、叱らないとどんな危険が発生するのか、改善を求める理由を出来る限り明確にする。叱った後は、必ず気持ちを切り替える必要があり、すぐに通常、日常の会話に戻るのがコツ。
不平不満に対する対処
まず、メンバーの言いたい事を最後まで聞きましょう。
話を聞いた上で、解決か説得かを見極めます。
唐突に不平不満を訴えらると、動揺することも多い⇒普段から周囲に関心を持つ。