精神科ナースの本気メモ

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気管支喘息(小児領域)の看護過程・看護計画(OP、TP、EP)のために必要な情報収集とその評価、アセスメント、看護問題に対する具体策

 

 

気管支喘息の看護過程の展開

 気管支喘息(小児領域)アセスメント

 

 

 

 

必要な情報収集と情報分析の視点

1.患者背景
①対象の患者の現病歴
・気管支喘息の発症時期

 

・発病の経過

 喘息発作を起こした時期や経過、頻度、これまで治療を受けている場合は、その経過など今回の発作に関する情報だけでなく、既往に関する情報は、今後の治療方針を決定する重要な情報である。小児気管支喘息の9割程度が『アトピー型喘息』といわれているため、アレルギー疾患に関する情報収集も早期に行う必要がある。

 

・気管支喘息の治療経過
 これまでに何度も喘息発作を起こして外来及び入院治療を受けている場合は、発作誘因因子を患児・家族が自覚して対処しているのか、生活環境や生活習慣に問題はないのかなど、患児・家族の療養生活を把握する。

 

・感染症の有無

 

②既往歴

 

③家族歴:喘息発作既往
 気管支喘息の治療・コントロールには、患者教育が必要不可欠である。JPGL2017(小児気管支喘息治療・管理ガイドライン)でも「気管支喘息の治療管理に関する基本的考え方に沿った治療目的を達成することは患者教育がゴールとして定める重要な任務である。」と述べており、患者実行型の治療の重要性を主張している。


 子ども自身のアドヒアランスが向上し、主体的に治療に取り組めるようしするためには、患児・家族の疾患や治療の受けとめ方、自己管理の程度、家族のサポート状況、発作予防に対する認識などの情を収集する

 

④家族歴:家族内のアレルギー疾患の有無

 

⑤性格・気質
・発作誘発因子の有無

 

⑥生活環境、生活習慣

 

♯A 知識不足に関連した非効果的自己健康管理

 

 

2.対象患者の全身状態

①バイタルサイン

 

②意識・コミュニケーションの状態

 

③脱水症状と程度
 呼吸困難に伴う気道からの不感蒸泄の増加と咳嗽による水分節酒困難により、乳幼児は容易に脱水に陥る。脱水は気道からの分泌物の粘稠度を増し、発作はさらに重症化し、また循環血液量の減少からショックを起こすこともある。脱水症状の観察と体重の減少度や血液データなどから脱水のの程度が判定され次第、輸液による水分・電解質の補給が実施される。


♯B 水分摂取に影響する異常に関連した体液量不足リスク状態

 

④血液データ
(Na,K,Cl,BUN,Cr,Ht,Hb)

 

⑤排泄状況
・排尿、排便の回数・量・性状

 

⑥栄養状態
・食事、水分摂取量

・食欲

・身長、体重

・血液データ(TP、Alb)

 


3.活動・休息

①現在の呼吸器症状:発作強度による評価
 喘息発作時は、呼吸困難の状態を適切にアセスメントし、発作による苦痛を緩和することが重要である。そのためには臨床症状による呼吸状態を観察するとともに、SpO2値や動脈血ガス分析値、ピークフロー値、スパイロメーター値などの検査値を早期に把握する。

・呼吸の状態
(喘鳴、陥没呼吸、呼気延長、起坐呼吸、チアノーゼの有無、呼吸数)
喘息発作の発作強度の評価(小発作、中発作、大発作、呼吸不全)を行うことで、その重症度と症状改善のための治療が決定されているので、速やかに対応する必要がある。一般的に運動により起こった発作は収まりやすいが、アレルゲン吸入や感染に伴うものは遷延しやすいので治療方針も異なる。

・呼吸困難の有無

・咳嗽

・呼吸の生理状態:SpO2値、動脈血ガス分析値

・呼吸機能検査:ピークフロー値(PEF)、スパイロメーター値

・その他:胸部X線検査所見

 

♯C 気道の攣縮に関連した非効果的気道浄化

 


②日常生活での活動状況

・1日の過ごし方
 入院や治療に伴う患児の心身への影響はないかを観察する。
喘息発作改善のための治療や検査が続く入院生活により、患児の一日は激変してしまう。
 体力が低下し、日常生活における活動を遂行する為の生理的・心理的エネルギーが不足するようになる。入院生活でも出来るだけ患児の日常生活に近づけるように環境を整え、保育士や特別支援学級の教員などと連携して、遊びや学習の場を確保し、家族との情報交換を密に行って患児が孤立感を感じないように配慮する必要がある。


♯D 呼吸器系の問題に関連した活動耐性低下リスク状態

 

・学びや課外活動

・学業への影響

・セルフケアの状態

 

③睡眠状況の観察

・睡眠時間

・熟睡感

 


4.知覚・認知

 再発作の可能性に対する患児・家族の不安の状態はどの程度か観察する

 

①患児・家族の疾患・治療についての知識と受け止め方
 小児気管支喘息の予後は、発症年齢や重症度、喘息のタイプによって様々である。そのため、成長に伴って自然に治癒していく場合と、成人まで持ち越す場合とがある。また、喘息発作を適切に治療できず死に至るという最悪な場合もある。
患児・家族は「いつ治るのか」という期待とともに「いつ発作が起きるのか」という不安や心配を持ちながら生活していることが多い。そのため、患児・家族の不安を受け止めながら、日常生活における健康管理について相談できるような体制を調整していく必要がある。

 

・患児の発達段階に応じた疾患・治療についての知識

 

・家族の疾患・治療についての知識

 

・服薬やピークフロー値測定

 

・喘息日誌の記入などの実施状況

 

・発作予防の知識と対処方法の実際

 

 

②患児・家族の心理状況

 

③患児・家族のコミュニケーション


♯E 健康状態の変化やストレスに関連した不安

 

 

 
5.周囲の認識・支援体制

①家族構成
 患者教育の主体は意思決定と治療行為を実行する存在である。乳児の場合は、親などの家族であり、幼児や学童になると患児、家族。思春期以降は患児が主体となって、家族は補助的な立場になる。多くのケースでは母親だけを教育指導の対象にしがちであるが、子どもの治療に直接関わる可能性のある関係者(父、兄弟、祖父母など)も教育対象者として認識する。

 

②家族の療育態度

 

③家族内の問題

 

④地域社会での家族の存在や役割

 

⑤患児の疾患管理に対する保育所、幼稚園、学校、地域との連絡や支援体制
 的確な喘息治療継続の為には、患児が社会生活を営む学校や地域の人の理解も必要となる。特に学校では、2008年度より、アレルギー性疾患の学校生活管理指導票が新設され、また、2011年には保健所におけるアレルギー対応ガイドラインが厚生労働省から公表され、小児気管支喘息の長期管理には、主治医、家族、学校関係者、保育者の連携が学校保健の立場からも重要視されるようになった。

 

 

 

気管支喘息における主な看護診断(看護上の問題)

 

♯A 知識不足に関連した非効果的自己管理

♯Aにおける患者の目標(成果目標):

 患者の自己管理能力と家族のサポート力が向上し、喘息発作を予防する。

 

 

♯B 水分摂取に影響する異常に関連した体液量不足リスク状態

♯Bにおける患者の目標(成果目標):

 呼吸困難に伴う脱水や随伴症状が改善する

 


♯C 気道の攣縮に関連した非効果的気道浄化


♯Cにおける患者の目標(成果目標):

 呼吸状態が安定し、再発作が起こらない

 

 


♯D 呼吸器系の問題に関連した活動耐性低下リスク状態

♯Dにおける患者の目標(成果目標):

 入院や治療による心理的エネルギー不足が改善する

 

 

 

♯E 健康状態やストレスに関連した不安

♯Eにおける患者の目標(成果目標):

 再発作に対する患児・家族の不安が緩和する

 

 

 


気管支喘息の具体的な看護計画(具体策)

♯A 知識不足に関連した非効果的自己管理

 

♯Aに関する観察計画(OP)

(1)疾患・治療に対する理解と受け止め方

①患児の発達段階に応じた疾患・治療に対する理解度

 (根拠)治療に対する理解を深めるよう支援する。疾患・治療に対する患児の理解の程度を把握することで、適切な自己管理ができる為の指導内容につなげることが出来る。


②家族の疾患・治療に対する理解度

 (根拠)患児の家族は、患児の疾患・治療に対する理解や受け止め方に大きな影響をあたえるためである。

 

 

(2)服薬やピークフロー値測定、喘息日記の記入など自己管理の実施状況

(根拠)自己管理の実施状況や発作時への対処方法を確認することで、これまでの自己管理の見直しや、新し目標設定がすることが出来る。


(3)発作予防の知識と対処方法の実際

(4)家族のサポート状況

(根拠)継続的な自己管理には、家族の協力やサポートが不可欠。

 

 

 

♯Aに関する看護ケア計画(TP)

(1)疾患・治療に対する不安や思いの聴取と信頼関係の構築

 (根拠)喘息発作予防の為の話し合いに必要なのは、まずは患児・家族が現在の疾患や治療に対する不安や苦痛・疑問などの思いを受け止め、現在実施している治療や処置に対する理解の程度を確認することである。そこから、患児・家族と看護師・医師との信頼関係構築が始める。

 

 

(2)アドヒアランス向上への支援

①現在実施している治療うや処置に関する確認と励まし

 患児が積極的に治療方針の決定に参加することで、自身が治療管理目標を設定する事が必要である。その為には、医療者が基本的な情報を繰り返し伝える。また、日常生活の中で患児が努力していることを認め、励ますことで児の自己効力感を高め、自己管理力が強化される。

 


②入院まで実施していた自己管理に関する検討と評価

 (根拠)入院まで実施していた自己管理内容と方法は妥当であったかを振り返ることで、自身の管理方法が妥当であったという自信にの繋がる。その自身こそが適切な自己管理を長期間継続する為に必要になる。

 

③退院後の自己管理に関する目標設定

 患児が退院後の長期的目標を自身で設定できるように、患児の家族と共に関わり、患児に応じた予防的な目標を設定していく。

(根拠)明確な目標を持つ事で、自己管理することに期待と意欲を持つことが出来る。

 


④自己管理における家族のサポート内容と方法を確認

 自己管理の実施において、家族のサポートが必要な部分を明確にする。

(根拠)家族の適切なサポートは患児の自立を促す。その上、患児自身に自己管理継続する為の意欲になる。

 

 

 

♯Aに関する教育計画(EP)

(1)現在の疾患の状態、治療計画の説明

 発作を起こして入院になった直後が、最も治療に対する意識が高まっている。これは、症状が重い時こそ、「一刻も早くこの辛い症状から脱却したい。」と感じるためである。そのため、患児指導が最も効果的になる時期である。疾患や、治療計画は医師から説明される。しかし、患児・家族の理解を深めるために、看護の立場から説明内容の確認を行い、必要時には繰り返し説明をしていく。

 


(2)服薬指導

 入院前に処方されている薬剤があれば、その服用時間や回数、吸入手技などを確認する。服薬方法が適切でなかったり服薬を継続出来ていなかったとしても、患児・家族を責めることはせず、継続出来なかった理由を振り返る。

(根拠)適切に服薬管理する方法を患児・家族とともに考案し実践できるように関わる。

 


(3)ピークフロー値測定と喘息日記の記載

 長期管理における自己管理方法をピークフロー値測定と喘息日記の記載により指導していく。

 (根拠)ピークフロー値の測定により、喘息の状態が数値などの客観的な情報で評価することが出来るようになる。これを喘息日記に記載していくことで、今後の自己管理目標を具体化することが出来る。

 

(4)発作時の対処方法と指導

発作の兆候や初期症状を理解し、発作時にはガマンすることなく、家族や学校の職員など患児の周囲の人間の助けを得ることが重要であると指導する。

 

 

(5)日常生活管理の指導

 喘息の治療効果を向上させるには、日々の体調管理と環境整備が必要である。そのことを患児・家族に理解してもらえるように指導する。もちろん、指導の内容は患児の家庭の状況や日常生活を振り返りながら具体的に指導することが必要である。

 また、喘息やストレスに負けない身体作りを行う為の方法を伝えていく必要があるが、それは患児自身に考えさせるような指導内容にする。

 

①体調管理
・感冒などの上気道感染予防

(含嗽、手洗い、予防接種)

 

②環境整備
・家庭内のチリやダニの除去のための掃除、絨毯の除去、布製ソファーの除去、布団の手入れ、受動喫煙の除去、ペットとの関わり方

 

③ストレス対処

 

 

(6)患者団体や喘息キャンプの紹介(社会資源の活用)

 喘息患者の仲間づくりや喘息の体験学習を通じて、患児の不安や苦痛を共有できる場所を作り、病気へ前向きに向き合う気持ちを作る支援をする。 

 

 

 


♯Cに関する観察計画(OP)

(1)呼吸状態の観察

  喘息発作時は、呼吸困難の状態を観察して発作による苦痛を緩和することが最優先課題となる。また、医師の診察による発作強度や重症度の判定を早期に情報収集し、検査値なども含めた臨床医学的な情報から、患児の状態をあセンスメントする。

 

①呼吸困難の状態

・呼吸状態:回数、深さ、リズム、呼吸音

・以上呼吸音:適正喘鳴、呻吟

・呼吸困難の程度:陥没呼吸、起坐呼吸、肩呼吸、鼻翼呼吸、呼気延長

(根拠)喘息は、発作性にて笛性喘鳴を伴う呼吸困難を繰り返す疾患である。そのため、ヒューヒュー、ゼイゼイという呼吸音を聴診器で観察する。

 

②咳嗽、喀痰の量の性状

 

③チアノーゼ、四肢の冷感の有無

(根拠)呼吸困難を伴うことにより、低酸素状態になるためチアノーゼや四肢冷感が観察されることがある。

 

④意識レベル、意識障害の有無(失禁、筋緊張などで判断)

 

⑤バイタルサイン

 

 


(2)発作強度、重症度の判定結果

(根拠)発作の強度判定は、発作時の治療管理上重要であるばかりではなく、重症度の判定を行う上でも必須となる。

①大、中、小発作、呼吸不全

②重症度

 


(3)検査データ

 呼吸機能検査や血液検査胸部X線検査により、喘息の状態や合併症の有無を把握する。

①SpO2、動脈血ガス分析

 

②ピークフロー値測定、スパイロメーター値

 

③その他:胸部X線検査、CRP値、痰培養

 (根拠)呼吸機能検査(一秒率、一秒量、PEF)や胸部X線検査により、肺局所の状態、CRP値や痰培養は発作による肺炎や気管支炎、無気肺などの合併症の把握につながる。

 


(4)発作出現に対する患児の苦痛や不安、恐怖感

 小児は、自らの苦痛や症状を言語化して他者に伝えることが難しい。患児の行動や表情を良く観察して児の抱える不安や恐怖を観察する。

 (根拠)呼吸困難などの症状による苦痛を、患児の

①患者の客観的状態

・活気

・機嫌

・顔色

・表情

・啼泣(ていきゅう:声をあげて泣いている状態)

・精神状態

 

②排泄の状態

・排尿・排便の回数

・性状

・自立度

 

③睡眠状態

・睡眠時間

・熟睡感

 

④治療・処置への反応と理解度

 (根拠)呼吸困難などの症状による苦痛を患児は不機嫌や啼泣、活気の消失、不安定の精神状態で表出する。それは排泄や睡眠の以上にも現れ、治療や処置に激しい抵抗感を示す場合もある。


(5)薬剤(テオフィリン)の効果と副作用

  喘息発作治療薬として使用されるテオフィリンは強い副作用が出現する場合があるので、観察が必要である。主な副作用として、下痢、頭痛、動悸、不眠、興奮などがある。

 (根拠)テオフィリンは、血中濃度8~15μg/mLが有効濃度域とされているが、その代謝速度は個人差が大きく、中毒症状(痙攣、意識障害など)を引き起こすリスクがある。

 

 

 

 

 ♯Cに関する看護ケア計画(TP)


(1)安楽な体位と呼吸の保持:呼吸困難の緩和

 喘息発作により呼吸困難が著しいあ場合には、呼吸が安定する安楽な体位と呼吸方法を患児の状態に応じて保持する。

 (根拠)気道確保の体位は、呼吸に必要な気道の物理的に必要な気道の閉塞を予防しする。また、起坐位やファウラー位などで、上体を挙上することで、横隔膜が重力によって押し下げられる。それによって、横隔膜運動がしやすくなり、肺が拡張して安楽に呼吸が出来るようになる。

①気道確保の体位

②上体挙上

・起坐位

・ファウラー位

・腹臥位

・抱っこ

③腹式呼吸や深呼吸、口すぼめ呼吸の励奨

 (根拠)腹式呼吸や深呼吸は、呼吸に伴うエネルギーと酸素消費量を減少させて肺胞換気量を保つこと出来る。口すぼめ呼吸は、呼吸数の減少や気道閉塞の防止、1回換気量の増加が期待できる。


(2)痰喀出の援助

必要時の吸入・吸引


(3)衣服や寝具の調整

・衣服を緩める、寝具での圧迫をふせぐ

 (根拠)全身をゆったりとして安楽な呼吸を促すためには、衣服や寝衣の調整が必要である。


(4)経口水分補給

 (根拠)水分補給は、気管支内の粘稠な分泌物を柔らかくして排痰を促す。

 

(5)呼吸理学療法の実施

(根拠)体位ドレナージやスクイージングなど、重力を利用した体位により、痰を貯留部位から喉まで移動させることが出来る。

・体位ドレナージ

・スクイージング

 

(6)環境整備

喘息発作の誘発因子を除去し、発作を予防していく。

 (根拠)密閉された空間や換気の悪い環境では、空気中の酸素濃度が低下し、呼吸困難感が助長される。

①室温、湿度

②換気

③アレルゲン除去

 

(7)治療薬(輸液、内服、吸入、貼付)

 


(8)酸素療法、ネブライザ吸入療法

 治療薬の選択と酸素療法は。、喘息発作の程度によって医師の指示のもとに実施される。アミノフィリン持続投与は輸液ポンプによって正確に投与される。


 (根拠)小児へのアミノフィリン投与は痙攣を引き起こしやすい。そのため、てんかんや痙攣の既往がある場合には注意して観察する。また、発熱している小児の場合にも注意して観察する必要がある。

 


(9)環境整備

  発作の原因となるアレルゲンを除去していく。

 (根拠)小児気管支喘息患者の90%はアトピー型喘息であるため、周囲のチリやダニ、ハウスダストなどのアレルゲンを吸入することにより反応する。よって、アレルゲンの除去は発作の予防に繋がる。

 

(10)日常生活の援助

①食事、睡眠、排泄、活動

 

 

 

 

♯Cに関する教育計画(EP)

 再発作の兆候や呼吸困難に感じ自身が早期に気付くことが出来る。また、看護師や付き添いの家族に速やかに報告出来るように指導することが重要である。患児の発達段階に応じて指導していく。

 

(1)再発作や呼吸困難の出現の対応

①看護師や家族への報告

②安楽な体位と呼吸方法

・上体挙上

・腹式呼吸や深呼吸、口すぼめ呼吸

ポイントとして、呼吸困難を緩和する安楽な体位と呼吸方法を、必要時に自ら実践出来るように指導していく。

 

 
(2)不安やストレスへの対応

 喘息治癒の可能性を信じて悲観的になることが無いよう、喘息発作や入院に伴うストレスへの対応方法について指導する。リラックス出来る環境を患児自身が作れよう指導することも必要である。

 

 (根拠)ストレスや疲労、情緒不安定は気管支喘息の誘因になる。そのため、患児に応じたストレス対応や心理的安定が重要となるため。

 

 

(3)感染予防対策

 ウィルス感染により喘息発作が起こることがないように、手指消毒、咳嗽を励行し、感染予防対策を指導していく。

 (根拠)RSウィルスやインフルエンザウィルスなどの呼吸器感染症は喘息発作を増悪させるため。